前回のメルマガは、
「対立する二人をなんとかする」で思考実験を行いました。
二人が抱えているネガティブな気持ちを減らすのは難しいので、
新たにポジティブな気持ちを増大させ、
相対的にネガティブを小さくしてしまう案をご紹介しました。
いかがでしょうか?
うちでもそれをやれば良いのか!
明日にでもそれをやれば、
問題は解決して対立がなくなるぞ!
と感じていただいた方は、
残念ながら少なかったのではないでしょうか。
う~ん、
やったら良いこと=正解は分かっているのに、
なぜうまくいかないのでしょうか?
いま流行の人工知能、chatGPTに訊ねてみました。
【質問】
社内で対立している二人の関係性を改善するにはどうすれば良いでしょうか。
数分で回答が返ってきました、すごい!
少し簡略化している箇所もありますが、こんな感じです。
1.個別に話を聞く
まずは、それぞれの立場や気持ちを個別に聞き出すことが重要です。
2.共通の目標を設定する
両者が抱える問題や課題を明確にし、解決するための共通の目標を設定します。
3.コミュニケーションの場を設ける
お互いに意見を交換する場を設け、コミュニケーションを行うことが大切です。
4.良好な関係を維持するための行動を促す
良好な関係を維持するために、お互いにコミュニケーションを取り続けることが必要です。
以上のような手順を踏むことで、
社内で対立している二人の関係性を改善することができます。
ただし、
お互いに信頼関係を築くためには時間がかかることもありますので、
根気強く対処する必要があります。
すばらしい!
コンサル的な回答としては満点ですね。
これでもう組織変革コンサルタントの
仕事はなくなるのでしょうか?
でも、もう一度みなさんに聞きます。
これをやれば、
対立はすぐに解消するのでしょうか?
いやぁ、そういうことはすでにやっている、
もしくはやろうとしたけどうまく行かなかったと言うことはないでしょうか?
そうすると、人工知能が教えてくれていない要素がまだありそうですね。
AIは主に「行動としてのDo」について、正しい回答をくれたように思います。
「Do」で解消しない問題は、「あり方としてのBe」に着目することが求められます。
ちょっとAIへの質問を変えてみました。
【質問】
社内で対立している二人の関係性を改善するため、
上司の私のあり方はどうあれば良いでしょうか。
今度は「あり方」についてAIに訊ねてみました。
回答は以下の通りです。
※一部省略しています。
1.中立的な立場を取る
対立している二人の関係性を改善するためには、中立的な立場を取ることが必要です。
2.偏りのないコミュニケーションを行う
二人に対して偏りのないコミュニケーションを行うことが重要です。
3.共通の目標を設定し、
問題解決に向けたアクションを促す二人に共通の目標を設定し、
それに向けたアクションを促すことが重要です。
4.状況に応じて外部の専門家を呼び入れる
状況によっては、
外部の専門家を呼び入れることが必要な場合があります。
心理カウンセリングの専門家やコミュニケーションコンサルタントなど、
問題解決に役立つ専門家を活用することが重要です。
ただし、問題が深刻である場合には、
上司自身が専門家の指導を受けることも考慮する必要があるかもしれません。
回答が明確なDoではなく、
心構えのようなBeに近いものになってきたように思います。
特に4では「外部の専門家を呼び入れる」ことを推奨しています。
さらに最後の行に、
「上司自身が専門家の指導を受ける」ことも効果があるように書かれています。
Doはもちろん必要だし、大切なのですが、
問題の種類によっては解決が行き詰まることがあります。
そういう類いの問題を解決するためには
Beの変容が必要になるということだと思います。
組織の課題は複雑系で、
さまざまな問題が絡み合っています。
人工知能がDoの追求だけでは本質的な解決は
難しいということを教えてくれたように思います。
Beの探求や内省、認知変容などと言う領域は
人を上回る情報量と知能を有する人工知能でも
まだ踏み込めないように感じました。
ということで組織変革コーチの仕事は、
これからもまだまだ社会が必要とするで
あろうという少し強引な結論を出してみたいと思います。
だって世界最強の人工知能が、組織変革には
「外部の専門家」の助けを借りた方が良い、と言っているのですからね(^^)
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【質問です】
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あり方の大切さが話し合われていますか?