031 ビジョンについて「軽めに」語ってみました。

社員の笑顔 コラム

最近、ビジョンメーキングの相談が増えてきました。

いままでも個別支援の際には、必ずビジョンの探求は行っていたのですが、
それを明確な言葉にして全社共有するという所まではやらないこともありました。
その要請の増加に時代の変化を感じながら、今回は「ビジョン」について
「軽め」に語ってみようと思います。

一般的に経営課題と呼ばれるものを分解すると、
組織課題と事業推進課題の2つに分けることができます。
どちらが欠けても企業にとって良くないことになります。

私は組織変革コーチなので、組織課題を扱うのが専門ですが、
実は組織課題と事業推進課題は切り離すことはできないものでもあります。
事業推進課題を解決するのは人や組織なので、順番としては組織課題の解決が優先です、
と言いつつ両方同時にやりながらというのが実際の所ですね。
これはこれで大変なのですが、今日は違う角度から少し考え方を掘り下げてみましょう。

そもそもなぜ経営課題を解決する必要があるのか?

さまざまな回答があるでしょうが、
会社を成長させるためと言うのを良く聞きます。
では、なぜ会社を成長させる必要があるのでしょうか?

これもさまざまな回答がありそうですが、社員の雇用を維持するためや
社長自身の夢の実現のためなどは良く聞かれます。
書いてはみたものの、このテーマはとても一本のメルマガで語れるようなものではないので、
いきなり質問を変えてしまいます。

あぁ、これも壮大なテーマになってしまいますね。
利潤の追求は企業に必要な要素ですが、
ドラッカーは「企業にとっての利益とは、
人間にとっての酸素のようなものだ」と言っています。

人間にとって呼吸は必要だけど、
呼吸するため(だけ)に生きているのではないということですね。

呼吸は生きるための手段でしかなく、

生きる目的は別にある、ということになります。

ここで心の底から実現したい「ビジョン」が
企業が存在する目的を示すという話しに繋がるのですが、
今日は軽めのビジョン語りなので、
企業のビジョン探究はここまでにしておきます。
目線を変えて、従業員の立場で考えてみると、
なぜこの会社で働くのかという問いが生じます。
給料のためだけだとしたら、少し悲しい感じがします。
ドラッカーの表現を借りれば、

給料を得るのは生活のための手段であって、

働く目的そのものではないということになります。
もう一段問いを深めてみましょう。

おぉ、ぜんぜん軽い話しではなくなってきましたね。
完全に信念、哲学の領域に入ってきてしまいました。
多くの人にとって、抽象度が高すぎてあまり深く考える
機会のなかった問いかも知れません。

最近、世界的にこの問いへの探究が深まっています。
企業も同様に、その存在価値の説明を果たすことが求められるようになりました。

反社会的行動を取る企業はもちろんのこと、
積極的に環境や社会のことを考えずに自分たちの利潤追求に専念する企業は、
社会からの退場を迫られるようになってきました。

これはこの数年間の間に起きている世界的な流れです。
働き方改革だけでは済まなくなり、
企業の存在意義の意識改革が始まったように思います。
ちょっと前までは社会貢献や三方良しの経営は「きれい事」
片付けられる場面が多かったかもしれませんが、
本当に本当に時代が変わりつつあるのを感じます。
でもまだまだ中小企業にビジョンが求められるようになるのには時間がかかる、
という意見もあるでしょう。
確かにそうかも知れません。

先日、淡路島の小さな建設会社に、新卒の応募が119名もあったと聞きました。
神戸、大阪という大都市がすぐ近くにある淡路島という地域で、
本土から応募が来ることはほとんどありません。
実際に本土から新卒採用ができている中小企業はごくわずかで、
建設業界では皆無の状態です。

ではなぜこの会社に応募が来るのか。
それはこの会社の経営者が建設業を通じて「地域のお困りごとを解決する」という
ビジョンを持ってさまざまなことに取り組んでいて、
地域住民や行政の信頼も厚い会社だからです。

応募者は口々に
「人や地域の役に立ちたい、そんな会社で働きたい」と言ったそうです。
ほとんどの人が給与や待遇についての
質問さえしないと言って採用担当者が驚いていました。

ビジョンを作り、社内に語りかけて浸透させるのは経営者の役割です。
そうすることで優秀な人材が集まり、離職率が低下し、
社内の活性度が上がるのであればビジョンを作らない理由がないように思います。
ビジョンを明確に言語化するのはなかなか簡単ではないですが、

あなたの会社でもぜひビジョンメーキングをやってみてはいかがでしょうか?
取り組んでみたい方は、弊社のホームページから
「ビジョンメーキングハンドブック」が無料ダウンロードできますので、
ぜひご一読ください。

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もっと本格的に取り組みたい場合は、どうぞ遠慮なしにご相談ください。

【質問です】
あなたの組織では、
明確なビジョンが語られていますか?

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