017 コーチとコンサルは違う?

社員の笑顔 コラム

コーチとコンサルは、どんなところが違うと思いますか?

私が思うに、どちらが良いとか悪いとか、
上とか下とかの関係にはありません。
相互に補完し合っているものだと感じています。

コンサルは、豊富な経験をベースに相手に対して
問題の解決策を提示する、とても頼もしい専門家ですね。
信頼できるコンサルは、客先で起きている問題を的確に分析し、
目標に対して明確な道筋を示してくれます。
結果として、短期間での問題解決が期待できるでしょう。
これはとても大きな特徴で、良いことだと思えます。

ところがVUCAの時代、事業条件が変化したり組織の実行力が弱い場合など、
せっかくコンサルが示してくれた正しい道筋をうまく歩めなくなるということが起こります。
こうなると、一般的なコンサル的手法では成果が出にくくなります。

コーチングアプローチではどうなるのでしょうか?
私が始めてコーチングのトレーニングを受けたとき、
自分のそれまでの常識を徹底的に破壊することを求められました。

それは、クライアントを支援するとき「相手にアドバイスをしない」、
「コーチが直接問題解決をしない」という2点です。

最初にそれを聞いたとき、「えっ??どうして??」と目が点になりました。

相手は問題を抱えて悩んでいるのだから、
自分の体験を通して解決策をアドバイスしてあげたほうが、
早く問題解決するのではないかと思ったのです。

トレーナーコーチに、相手の成功をサポートするのがコーチではないのですか?
と、質問しました。

そのコーチは回答ではなく、質問を返してくれました。
「成功と成長の違いで、どちらが長期にわたって効果があると思いますか?」
私は「えっと、成長の方が長期的視野に立ったときには、
より望ましいと思います」と返答しました。

そうすると
「なるほど。では、あなたが解決策をアドバイスをするのと、
相手が自分でチャレンジ項目を考えるとのでは、
どちらが相手が成長する可能性が高くなりますか?」

と聞かれました。

これの答えは明白ですね。
そうです。コーチが、クライアントの成功よりも、
成長を意識したコミュニケーションを取ることによって、
相手がスキルを上げる可能性が高くなるんですね。

すぐに目先の問題に引きずられてしまう状況から、抜け出すのにヒントとなるのは、
ロービームとハイビームという考え方です。

目先の問題のやり方を議論している状態は互いにロービームなので、
目標を含めて遠くがよく見えていない状態です。

そういうときは、意識して視点をハイビームに切り替えるのがお勧めです。
ビジョンに向かって、将来どうありたいのかを考える方が効果的です。

私の姿勢もこれが基本です。

課題の解決に立ち向かうとき、私は経営者側には立ちません。
かといって社員側に立つわけでもありません。
私の立ち位置は、皆で合意した「目標」です。
それはビジョンと言っても良いでしょう。

「ビジョンの実現」という立ち位置から、関係者の発言や行動、
そしてその意思決定が効果的かどうかを感じようとしています。

【質問です】
あなたの組織のマネージャーは、「ビジョンの実現」に立って
部下と会話していますか?

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