【編集後記】釣り人にとって、 魚がたくさんいても 幸せではないときがある

編集後記

いつも書いているように、ぼくのかみさんは釣りが大好きな「女性釣り師」なので、
いつも釣り場にアッシー君で駆り出されています。

かみさんが釣っているそばで本を読んだりして過ごしているのですが、
たまに時間を持て余してしまいます。
夏の日本海だったら、海に潜って魚を追いかけるのですが、
神戸港の波止から潜ることもできないし、寒い時期も潜れません。

なので、秘密兵器を手に入れました。
100mのケーブルが付いた水中ドローンです。

高画質のカメラやライトが付いていて、自由に移動しながら水中が撮影できるおもちゃです。
釣り場から投入し、水深や水温を計測するだけでなく、
海底の状況を詳細に観察できます。
どこに岩場があり、どこに藻が生えているという情報が文字通り一目瞭然です。
瀬戸内海、太平洋、日本海などいろんな釣り場に初めて行くたびに投入して海中の様子を探り、
釣り師のかみさんに正確にターゲットの位置情報を伝えます。
15mほど沖の沈み磯の西側にメバルがたくさんいるよ。

すぐ足元の4mの深さのあたりにチヌとハゲがたくさん群れているよ。

このリアルタイム情報を得たかみさんは、
大喜びでピンポイントでそこを狙って仕掛けを投入します。
私は大役を果たしたと思って満足して読書に戻ります。

ところが、多くの場合そこから気まずい空気が醸し出されます。
・・・釣れないんです。
そこに魚がいるのは間違いないことは映像で確認しています。
なのに釣れないんです。

なぜ空気が気まずくなるのかを考えてみました。

釣り師は、釣れないときの言い訳説明の言葉に
「今日は潮が悪いから魚がいない」
というのを持っています。
「今日は水温が低い(高い)から魚がいない」
とか、
「水が澄みすぎているから魚がいない」
などもよく使われます。

でも、最新の4Kビデオカメラを搭載した水中ドローンは無慈悲にも
いま、そこに魚がいることを明確に教えてくれます。
そこから導き出される結論は、「釣り師の腕が悪い」
しか残らないではありませんか。

おぉ・・・・
それに気がついた私は、夫婦円満のために、
釣り師のかみさんが釣っている近くではドローン散歩をしないように心がけています。

私はこの経験から、人生において真実を伝えることが、
全て良いことだとは限らないということを学びました。

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