前回のメルマガで、
「働き方に対する考え方が世界的に大きく変化している」という話をしました。
また、今はその転換期にあたるので、
若干混乱しているように感じられるとも書きました。
新しい概念や常識が世間に受け入れられるとき、
従来の概念との衝突が発生することは避けられず、
混乱が生じるのはやむを得ないのではと考えています。
働き方の未来を考えるとき、とても参考になる思想があります。
明治の偉大な哲学者であり、教育学者の牧口常三郎は著書「人生地理学」の中で、
世界は「軍事的競争」、「政治的競争」、「経済的競争」の時代から
「人道的競争」の時代へと移らねばならないと訴えました。
昭和後半になって、軍事的競争はいったん収まり、政治と経済の競争が始まりましたが、
それらは多くの場面で行き詰まっているように感じます。
確かに、経済の追求だけでは人類は真の幸福を手に入れられないことが、
多くの人の心のなかで明らかになったと言えるでしょう。
そしてその先に、人道的競争の時代が来ると牧口は予言していますが、
私はそれはすでに始まっていると感じています。
実は、それこそがこの混乱ではないかと思っているのです。
21世紀になって、また残念で悲惨な戦いが起きていますが、
この戦争を通じて、人類はさらにさまざまなことを語り、
そしてさまざまな気づきを得るのだろうと思います。
その結果として、平和の大切さを感じる人が増え、
未来の地球をどうしていくかをそれぞれが深く考えるきっかけになるだろうと思っています。
そこで話し合われるのは、個人が幸せを追求するのがあたりまえの社会の実現です。
これがSDG’sの本質ですね。
ゆとり、さとりなどと言われたりしている世代がありますが、
彼らは個人の幸せを素直に求める生き方を重視しているように見えます。
私は、実は彼らこそが、それ以前の世代よりも、
精神的に大きく発達しているのではないかと考えています。
彼らのあり方を、働き方の世界の潮流に重ねてみたとき、
明らかに最先端に位置していると思うからです。
すぐ先の未来に、彼らから世界は変わった。
彼らが既存の価値観を揺さぶってくれたおかげで一時的な混乱は生じたが、
いまはこんなに働きやすく、生きやすくなったと、評価される時代が来るように思えてなりません。