029 多様性に感じる違和感について

社員の笑顔 コラム

組織変革を支援していると、多様性の話しが良く出てきます。
多様性(ダイバーシティ)とは
「ある集団の中に異なる特徴・特性を持つ人がともに存在すること」です。

人種や国籍、性別、年齢、障がいの有無、宗教、性的指向、価値観、さらにキャリア、
経験、職歴、働き方の指向など、あらゆる「違い」を認める考え方ですね。
これらを「差別せずに受け止める」ことの大切さは働きやすさに直結することなので、
もちろん1mmも異存はありません。

最近は世代間での価値観の違いで苦労しているマネージャーも爆増しているようなので、
多様性を理解することは自身のストレス低減にも繋がるように思います。
それほど重要な多様性なのに、何に対して「違和感」を感じているのかというと、
多様な人達が語る「将来のありたい姿」についてです。

今までに支援を提供してきた一般企業(多様な規模、業種)、病院、公共企業などでは、
文字通り多様な人がいましたが、この問いを投げかけるとみんな顔を上げて
実現したい状態について語ってくれます。

それが・・とても似通っているのです。

・互いに思いやりを持って働ける職場であって欲しい。

・お客さまから感謝の声が聞こえてくる仕事をしたい。

・自分らしく働ける環境がいい

・やりがいを感じながら働きたい

などなど。

病院では「家族を入院させたいと思える病院にしたい」
という言葉を必ず聞きます。
今の組織状態では大切な家族を託したいと思えないようです。
多様な人達がいて、それぞれが多様な考えを持っているのに、
実現したい状態は驚くほど「画一的」に感じられます。

「画一的」という言葉にはなんとなく
「良くないもの」というニュアンスがありそうなので、
違う言葉を探すと「同質性」でしょうか。

実現したい状態の先にあるものが「幸福」だとしたら、
ほぼ全ての人が幸福追求という願いを持っているという意味で「同質性」を感じます。

こんなことを考えていると、人間って、みんな幸せになるために
生きようとしているんだなって改めて思いました。

その「幸せ」を掴むための行動やその背景にある価値観が多様なので、
そこで摩擦が起きていることも事実ですが、この考え方を突き詰めると
「幸福とは何か」ということになりそうです。

幸福論における「快楽説」や「欲求実現説」を持ち出すまでもなく、
絶対的で唯一の幸福の形というのは無いかもしれませんが、
結果として幸福を感じたいというのは自己実現の基本形と言っても良いように思います。

適切な問いを受け止めながら、これらを考えて探究することは、
「心」を広げるトレーニングになることはまちがいないと思います。
大切な人生を充実させるために、仕事とどう向き合うのが良いのか、
他者とどう関わるのが良いかなどなど。

本質的な組織変革は、
構成員の一人一人が精神性を高めることから始まるとつくづく感じます。

【質問です】
あなたの組織では、
多様性が大切にされていますか?

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