009 部門間の関係性を改善する

社員の笑顔 組織変革事例

組織に問題を抱えている経営者の話しを聞かせてもらうと、
ほとんどの場合、「うちの会社はコミュニケーションが悪い」
という言葉が出てきます。

部門内、部門間、上下間のどれかだったり、組織によっては全てだったりします。
病院の例で見てみましょう。
医師と看護師だけでなく、レントゲンやMRIを操作する臨床工学技士、
リハビリを担当する理学療法士、他にも薬剤師や栄養士など、
多くのメディカルスタッフが連携して患者の治療にあたります。

質の高い医療を提供し、同時に医療事故を防止するためにも、
多職種間の緊密な連携が不可欠で、これを多職種連携と呼んで、
どの病院でも真剣に取り組んでいます。
ところが院長や理事長のお話を聞くと、
いくらうるさく言っても多職種連携がうまく機能しないんですよ、といって悩んでいます。
どうやって連携を取っているのですかと尋ねると、
それは現場に任せているという回答が多くあります。

現場に聞いてみると、多職種間の連絡会議はちゃんと実施しています。
でも、うまくいっていない。
相変わらず、連携ミスから大小のクレームが発生し、その対応にふりまわされて職員が疲弊して、
離職者が後を絶たない・・・
こういう悪循環を止めるにはどうすれば良いのでしょうか。

やることはとても単純です。
ひと言で言うと、「コミュニケーションの質を高める」ということになります。
手法はいくつもありますが、基本的には心理的安全性を確保しながら、
ダイアログという質の高い会話を行うことがおすすめです。

医療従事者は、もともと高い他者貢献意識を持つ人達の集まりです。
適切なテーマを決めてダイアログをすると、
本来の「自分たちが提供したい医療とはなにか」についての、内面的な探求が深まっていきます。
そうすると、「患者さんのためにも、自分の志のためにも、もっと多職種連携を大切にしよう」という
内発的な気持ちの高まりが期待できます。

組織を本質的に変革するためには、
この内発性がなによりも大切なことは言うまでもありません。

組織変革のプロセス設計を行うとき、
どうやって行動を変えるかというアプローチではなく、
どうやって現状の認知や解釈を変化させるかと考えます。
考え方が変われば、自発的に行動が変化します。
行動が変化すれば、次はその質を高めることで自走する組織に成長していきます。

これは組織論の基本の基本なのですが、
その変化をそれぞれの組織でどうやって起こしていくか。
その実践のお手伝いが我々の使命だなと思っています。

組織課題の相談は無料です。えんりょ無しにご連絡ください。

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