組織に問題を抱えている経営者の話しを聞かせてもらうと、
ほとんどの場合、「うちの会社はコミュニケーションが悪い」
という言葉が出てきます。
部門内、部門間、上下間のどれかだったり、組織によっては全てだったりします。
病院の例で見てみましょう。
医師と看護師だけでなく、レントゲンやMRIを操作する臨床工学技士、
リハビリを担当する理学療法士、他にも薬剤師や栄養士など、
多くのメディカルスタッフが連携して患者の治療にあたります。
質の高い医療を提供し、同時に医療事故を防止するためにも、
多職種間の緊密な連携が不可欠で、これを多職種連携と呼んで、
どの病院でも真剣に取り組んでいます。
ところが院長や理事長のお話を聞くと、
いくらうるさく言っても多職種連携がうまく機能しないんですよ、といって悩んでいます。
どうやって連携を取っているのですかと尋ねると、
それは現場に任せているという回答が多くあります。
現場に聞いてみると、多職種間の連絡会議はちゃんと実施しています。
でも、うまくいっていない。
相変わらず、連携ミスから大小のクレームが発生し、その対応にふりまわされて職員が疲弊して、
離職者が後を絶たない・・・
こういう悪循環を止めるにはどうすれば良いのでしょうか。
やることはとても単純です。
ひと言で言うと、「コミュニケーションの質を高める」ということになります。
手法はいくつもありますが、基本的には心理的安全性を確保しながら、
ダイアログという質の高い会話を行うことがおすすめです。
医療従事者は、もともと高い他者貢献意識を持つ人達の集まりです。
適切なテーマを決めてダイアログをすると、
本来の「自分たちが提供したい医療とはなにか」についての、内面的な探求が深まっていきます。
そうすると、「患者さんのためにも、自分の志のためにも、もっと多職種連携を大切にしよう」という
内発的な気持ちの高まりが期待できます。
組織を本質的に変革するためには、
この内発性がなによりも大切なことは言うまでもありません。
組織変革のプロセス設計を行うとき、
どうやって行動を変えるかというアプローチではなく、
どうやって現状の認知や解釈を変化させるかと考えます。
考え方が変われば、自発的に行動が変化します。
行動が変化すれば、次はその質を高めることで自走する組織に成長していきます。
これは組織論の基本の基本なのですが、
その変化をそれぞれの組織でどうやって起こしていくか。
その実践のお手伝いが我々の使命だなと思っています。
組織課題の相談は無料です。えんりょ無しにご連絡ください。