007 世界の「働き方」の変化

社員の笑顔 コラム

組織変革を支援する仕事を始めて、今年でちょうど10年が経ちました。

最初の頃は、
「コーチングを使います」などと言っても、
それって食べ物ですか?と言われたこともありました(p_-)

最近はコーチングや、組織変革の仕事への認知度がかなり高くなったと感じています。
社会が変化して、その必要性が増していると言えば良いのでしょうか。
今回は、この10年の間に感じた変化を書いてみようと思います。

まずは世界の潮流ですが、アメリカでは10年以上前から、
従業員のパフォーマンスを上げるための経営スタイルに移行が始まっています。
有名なハーバード・ビジネス・スクール(HBS)が発行している
経営誌のハーバード・ビジネス・レビューの誌面が変わってきました。

最近の誌面は、さまざまな「働きやすさ」についての論文が多くを占めています。

従来は経営戦略とマーケティングや、いかにしてライバル企業より高い利益を出すのかという、
ゴリゴリの記事が多かったのですが、2008年に起こったリーマン・ショック以降、
調が変わってきました。

HBSのある教授が、世界的経済危機にはHBSの卒業生が多数関わっている。
私たちは拝金主義者を育成してしまったのではないか、と言ったそうです。

その反省も踏まえて、働く意味の探求が始まりました。

ワーク・ライフ・バランスは、
「仕事と生活の時間配分」だと認識されている場合もありますが、
本来は、「仕事と生活の両方を充実させること」を意味します。
なので、時間配分ではなく「生活と仕事の調和」と訳されています。

近年、アメリカでこれが真剣に議論された結果、
企業中心の経営から、人中心の経営に切り替わる動きが加速しています。

従来のような点数制の人事評価を止める企業がどんどん増えてきています。

日本には少し遅れて、その流れがやってきました。
日本では、2019年に働き方改革推進法が施行されましたが、
そのころから働くことへの意識変化の度合いが加速したように思います。
ワーク・ライフ・バランスという言葉は日本でも広く使われるようになりました。

さらに、ライフを「生活」ではなく、「人生」と考えた場合、
仕事と人生は切り離せるものではない、
としてワーク&ライフ・インテグレーションという上位概念も生まれました。

これは、仕事とプライベートをむりに線引きせず、
うまく統合させながら人生全体の充実を図る方法です。

例えば、プライベートが充実すると、仕事のモチベーションも高まるとする考え方です。
少し抽象的で、右か左か、白か黒かといういう単純な話ではありません。

従来の経営やマネージメント理論では、捉えきれない概念です。

働き方の探究は、生き方の探究に繋がり、こうやって、
どんどんと新しい考え方や概念が生み出され、広まっているように思いますが、
若干、混乱も見られるように感じています。

経営者の方はこういった概念を耳にする機会も多いのですが、
その本質的なところへの理解が追いついていないことがあります。

従業員の方も、働き方改革を単なる「楽な働き方」くらいに、
受け止めている例もあります。

でも、その混乱こそが変化が起きている証左とは言えないでしょうか。

いま、働き方や生き方について、
明らかに変化が始まっていると感じています。

それは変化というよりも、人類という種の進化とも言えると感じています。

組織変革を支援している私がなぜそれを感じるのか・・・
少し話しを広げすぎたように思いますので、その理由は次回のメルマガでお話ししますね。

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