港町・神戸に住んでいるぼくは子供の頃からたくさん釣りを楽しんできました。
と言ってもせいぜいサビキでアジを釣ったり、する程度の「子供の遊び」です。
最近の釣り道具屋へ行くと、
子供の頃には見たこともない新しいアイテムがたくさんあります。
昔はエサと言えばアミエビかゴカイしかありませんでした。
今はメタルや樹脂のルアーが店の壁を埋め尽くしています。
そのルアーの釣法がものすごく進化しているのが解ります。
竿や糸も恐ろしく進化して1.m以上もあるブリでも、
人差し指程度の太さの竿でらくらく釣り上げることができるようになりました。
すごい時代になりましたね。
10年ほど前から、鯛ラバという釣り方が新開発されました。
鯛ラバという疑似エサを沈め、底についたら10mほど巻き上げ、
鯛がかからなかったらまた落とすのを繰り返すだけです。
しかも糸は1号という細さで、直径は0.165mmしかありません!
見るからに頼りない感じです。
あわせも何もなしでただ巻くだけ?
そんなに簡単でイイの??
この釣りには不思議があります。
それは鯛ラバが、人間にはエサに見えないことです。
直径が25mm程度の鉛球に赤や黄色の色を塗り、
それにカラフルなビニール片が引っかけてあるだけです。
ゴカイとはまったくちがうし、小魚にも見えないし、エビにも似ていません。
こんなんで本当に釣れるのか?
・・・・釣れました!
しかもとてもかんたんに・・・^_^;
9匹もの大鯛は夫婦だけで食べきれないので、
ご近所にも配りましたが本当においしかったです!
釣り船に8人ほど乗って、私が最初に鯛を釣ったんですが、
船に乗っている他の人から「何色ですか!?」と聞かれ、
みんな急いで私が使った鯛ラバのビニールと同じ色に取り替えていました。
それを見ていると、新たな謎が生まれてきました。
光は波長によって水に吸収される度合いが違うため、
深さによって見える色が変化します。
水深3~5mくらいまでは陸上で見るのとほとんど変わりませんが、
5mをすぎるとだんだん波長の長い赤色が水の分子に吸収されて赤に見えなくなります。
海に潜って魚を突くと、出てくる血が緑色に見えるのはこのせいですね。
10m潜るとオレンジ色が消え、30mになると黄色が消えます。
ここからさらに潜ると緑色が消え、紫色が消えて、
50mをこえると見えるのは青色のみになります。
この画像は虹色のカラーボードを水深50mに沈めたときのものです。
赤が全く赤に見えませんよね。
ブルーオーシャンというのはこの色の波長の吸収によるもので、
青色の海は他の色が吸収されるほどに深いということになります。
青色光の光路長が長くなるので水がきれいなほど、深ければ深いほどより濃い青色になるんですね。
エメラルドグリーンと表現される海は、緑色が残っていることから
40m以下の比較的浅い場所だということがわかります。
だから50m以上の深さにいる鯛には色の違いが見えていないはずなのに明らかに赤色で釣れたり、
緑色で釣れたりということが起きています。
これはなぜなんでしょうか?
この謎を解明するためには、また釣りに行くしかありません!
謎の真剣な解明より、真鯛の刺身の方が魅力的なのは言うまでもありませんが^_^