我が家は夫婦で釣り旅行に行くのが重要なホームイベントなのですが、
仕事が忙しいことなど、さまざまな理由で、
もう3ヶ月以上釣りに行くことができていません。
全く外出しないので、新しい体験も少なく、
ここで書くネタが枯渇し始めています。
などと壮大な言い訳をした後、
少し前のできごとについて書いてみます。
以前、息子は八王子にある大学に通っていました。
ある日、東京での仕事が終わった後、
八王子の息子のアパートに立ち寄りました。
翌朝、かみさんが上京してくるので、
一緒に息子の大学の大学祭に行こうという計画です。
八王子は東京都内ですが、
都心からかなり外れたところにあるので、
冬はオリオン座がすばらしく輝いて見えます。
少し遅い時間でしたが近くの高尾山へ夜景を撮影に行こうと思い、
息子を誘って車で向かいました。
六甲山にドライブに行くような軽い気持ちで
向かったのですが、到着すると頂上への道路が見当たりません。
うろちょろしていると、
なんとこの山は車では登れない山だと言うことがわかりました。
もうケーブルカーも動いていない深夜だったので
あきらめてアパートに戻りました。
展望台に車で行けないような山なんか、
つまらないなと思いながら高尾山のことをネットで調べてみると、
この山、実はすごい山なんだと言うことがわかりました。
高尾山の標高は599mで、931mの六甲山に比べてかなり低い山ですが、
首都圏から近いので、年間400万人が訪れるそうです。
ミシュランが発行する『グリーンガイド・ジャポン』にて
富士山と共に日本に行ったら「必ず訪れるべき場所」として
最高ランクの三ツ星の評価を受けています。
高尾山は「奇跡の山」と呼ばれていて、その理由は
植生している植物の種類が世界的に見ても圧倒的に多く、
なんと1600種類を超えるそうです。
なぜこれが「世界的にみても」なんて大げさな表現になるかというと、
日本全国の植物の種類は約5565種類なので、
その3割がこの一つの山に集まっているからです。
ちなみにそのうちの固有種は36%なので、
2000種類ほどが日本にしか植生していないということになります。
植物種と固有種の数がどれほどすごいのかは、
諸外国と比較してみるとよくわかるのですが、
お隣の韓国の植物種数は2898種類、ドイツは2632種類(固有種はゼロ)です。
国全体でも高尾山の倍程度しかないんですね。
さらに見るとフィンランドは1102種類だし、
イギリスは1623種類なので、高尾山にはほぼそれらの国全部に相当する
植物種数が揃っていることになります。
インドネシアの29375種類や中国の32000種類
と言う数字は見なかったことにしておきましょう^_^;
北ヨーロッパの植物の種類が少ないのは、
氷河期に氷河に覆われたため、
植物が絶滅したからというのが理由だそうです。
日本には氷河期がなかったのと、大きな気候変動があっても
日本列島は南北に長いため、植物たちは寒冷になれば南に下って逃げ、
暑くなれば北に上って逃げていくことができたから種類や固有種の数が多いそうです。
なんの話でしたっけ?
そうそう、高尾山の話でしたね。
高尾山は植生が豊かなので、動物の種類も豊富です。
約150種類の野鳥が確認されていて、
日本全国で550種類だからこれも約3割が集まっている山です。
「八王子こどもレファレンスシート」を見ると、
昆虫の種類も5000種類と多く、大阪の箕面山、
京都の貴船山と並んで日本の昆虫の三大生息地だそうです。
高尾山自然保護実行委員会を中心に、地元では世界遺産登録の声があり、
実際に日本の委員会で高尾山の名が挙げられたこともあるそうです。
お見それしました。
神戸への帰り道、山梨の石和に立ち寄ってブドウ狩りと
ほうとう鍋を楽しみました。
なんだか今回は旅行記のようになりましたが
あなたも、東京に行く機会があれば
奇跡の山・高尾山に登ってみてはいかがでしょうか?